バネのない、残っている歯を守る『ドイツ式入れ歯』
ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)のリーゲルテレスコープ、コーヌステレスコープ、レジリエンツテレスコープは、ドイツで130年以上の歴史があり、その間改良され続けて現代に至る入れ歯です。ほとんどすべての症例に対応が可能で、残っている歯の本数や状態に合わせて3種類を使い分けます。
稲葉繁先生(元日本歯科大学教授)がドイツからこの技術を日本に紹介し、すでに40年以上患者様の口の中で機能している症例が多数あることからも、長期間使って頂くことができる非常に優れた技術であることが証明されています。
当院は直接、稲葉繁先生から正しいドイツ式入れ歯の治療方法の指導を受けており、また確かな技術を持った認定技工士と連携して製作しております。

ドイツ式入れ歯
7つの特徴
-
審美性が高い
自然な見た目を保ちつつ、口元の美しさを維持することができます。
-
快適に食事ができる、よく噛める
入れ歯が安定しており、食べ物をしっかりと噛むことができます。
-
歯をできるだけ残すことができる
残存歯を最大限に活用し、抜歯を極力避けることができます。
-
残っている歯への負担を軽減できる
入れ歯が残っている自然の歯に均等に負担を分散させることができます。
-
夜寝るときも取り外す必要がない
外す必要がなく、24時間快適に使用することが可能です。
-
長期間に渡って使用できる
適切なメンテナンスを行うことで、長く使い続けることができます。使用している間に生じる自然な歯や歯茎の変化にも柔軟に対応できるため、長期間にわたって快適に使用することが可能です。
-
「全身疾患がある」「インプラントが怖い」など、インプラントができない方にも対応が可能
より低侵襲で、多くの健康問題を持つ方にも適用できる選択肢です。
ドイツ式入れ歯の種類
-
6本~10本の歯が残っている方
リーゲルテレスコープ
小さい鍵のような装置(レバー)を付け、この鍵の開閉によって取り外しができる入れ歯です。
鍵を開けると簡単に取り外しができ、閉めると入れ歯が固定されます。バネを使用しないため、笑った時に見えるのは白い歯だけとなり、取り外せるブリッジのイメージの入れ歯です。
残っている歯、全てを固定し強くして歯を横に揺らさないようにすることができるため、残っている歯を利用し長期間維持させることが可能です。
リーゲルテレスコープは、全部歯を喪失している総入れ歯の方にではなく、ある程度の本数を保っている方に適応され ます(6本から10本程度)。
装着時 外した状態 -
しっかりした歯が残っている方
コーヌステレスコープ
残った歯に被せた金属の冠(内冠)と入れ歯本体にある外冠をはめ込んで装着する入れ歯です。
内冠・外冠のくさび力(茶筒のふたの原理と同様)を利用し、装着の最後でスッとはまり固定されます。
ただし、神経のない歯には適応外であり、また歯の残っている場所によっては禁忌症もあります。
金属の金具や、シリコンのバネを歯にひっかけると、歯を前後に揺すってしまうリスクがあり、次第に揺れ始め最後には歯を失ってしまう可能性がありますが、コーヌステレスコープは、歯の軸方向に力が加わる構造となっているため、歯をできる限り揺らさずに長持ちする構造となっています。
装着時 外した状態 -
多くの歯を失ってしまい、
残っている歯が4本以下の方レジリエンツテレスコープ
残っている歯が3~4本以内の場合に適応される入れ歯です。
残っている歯にバネではなく金属の冠を被せ、入れ歯の外冠にはめ込みます。総入れ歯と同じように粘膜で支えるため、残っている歯の負担を最小限に抑えることができます。
少ない本数だからできることがあります。それは口元を自由に作ることができることです。
歯を失うと口元が痩せて、残念ながら実年齢より老けて見られがちです。そんな方が若々しい表情を取り戻すためにも、レジリエンツテレスコープは優れた審美性を発揮します。もともとの歯の位置を再現できるだけでなく、口元を自由に作ることも可能ですので、骨が薄くなって、しぼんでしまったように見える口の周りに、内側から自然なボリュームを持たせたり、ほうれい線を目立たなくさせることができます。 装着時 外した状態
ドイツ式入れ歯治療の流れ
-
1初期治療
歯石を取る、歯周病の治療をするなど、お口の環境を整えます
-
2仮義歯の準備、支台歯の形成、既存の補綴物などの除去
-
3仮義歯製作のための印象・咬合採得・フェイスボートランスファー
-
4必要な場合、抜歯
仮義歯装着
※治癒期間が終わったら⑤へ進む -
5内冠制作のための印象・咬合採得・フェイスボートランスファー
-
6内冠試適、外冠制作のための印象・咬合採得・フェイスボートランスファー
-
7外冠試適
-
8入れ歯の完成、装着
-
9メンテナンス
※①〜④ + 治癒期間は患者様のお口の状態によって異なります。
※⑤〜⑧は製作過程に時間を要するため、約2か月に一度のご来院となり、全体で6か月ほどとなります。
※装着後、数回調整が必要です。約1年に一度、メンテナンス(咬み合わせチェック・調整、クリーニング)が必要です。
POINT
仮義歯の役割
仮義歯は、治療の途中でも歯がない状態にならないようにするための一時的な入れ歯です。見た目を保ちながら、会話や食事といった日常生活も問題なく過ごせるようサポートします。
また、最終的な入れ歯をお預かりして修理する場合には、仮義歯を“スペア”として使うこともできるため、生活に支障が出にくいのも大きな利点です。
POINT
噛む力を分散し、あなたの歯を残す
トーションバー・シュパルテ
他の入れ歯にないドイツ式部分入れ歯の特徴は、トーションバーやシュパルテで、口蓋(こうがい、口の天井部分)を利用できることです。
保険で適応される左右の入れ歯、既成の金属でつないだものは、噛んだ力がそのまま反対側に伝わってしまい、噛んだ力でバーを通して反対側の歯を抜いてしまうような力が加わります。
そのため、バーの設計は歯を守るために、非常に大切なものですが、大学でもその設計について教えられてないことがほとんどのようです。
トーションバーはねじれた形をしていて、例えば右で噛んだ力をバーで吸収し、左側に影響がないような形になっています。
adidasの靴の底にトーションシステムという技術があります。これは、歩いた時の衝撃をトーションシステムのねじれた形で吸収して前足と後ろ足に伝わらないようにして負担を軽減するようなクッションです。それと同じような考えがトーションバーです。
また、シュパルテという床の形があります。トーションバーのねじれによって力を吸収するのと一緒で、アルファベットのEの形で真ん中に伸びたところで力を吸収します。ほとんどの方に違和感なくお使いいただける床です。
ドイツ式入れ歯の専門的な知識と技工技術を持った国内の認定歯科技工所で製作
ドイツ式入れ歯は高度な技術が必要となるため、歯科技工士であれば誰でも製作のできる入れ歯ではありません。加えて、歯科医師との密な連携も欠かせません。
当院では、同じ研修会にてドイツ式入れ歯の技術を学び、共有している国内の認定歯科技工所と連携し、入れ歯を製作します。製作は、元日本歯科大学教授の稲葉繁先生の監修もいただきながら進めます。
よくある質問
料金はいくらくらいになりますか?
当院では、お一人おひとりのお口の状態やご希望に合わせて、最適な設計・素材をご提案しております。そのため、費用は患者様ごとに異なります。(※使用する金属の種類や設計によって変動します)。
治療中に「歯がない期間」はありますか?
ご安心ください。ドイツ式入れ歯の治療中も、仮義歯をご用意しておりますので、「歯がない期間」は基本的にありません。
見た目や会話、食事など、日常生活にできるだけ支障が出ないよう配慮しながら治療を進めてまいります。
仮義歯も患者様のお口に合わせて丁寧に調整いたしますので、安心して治療を受けていただけます。
料金
-
リーゲルテレスコープ
※歯の本数・設計・使用金属により費用が異なります1,260,000円 ~ 2,750,000円例-
2歯欠損の場合
(仮義歯・プロビジョナル(仮歯)含む、白金加金使用)1,260,000円 -
残存歯6本の場合
(仮義歯・プロビジョナル(仮歯)含む、白金加金使用)2,630,000円
-
-
コーヌステレスコープ
※歯の本数・設計・使用金属により費用が異なります1,870,000円 ~ 3,300,000円例-
残存歯8本使用
(仮義歯・プロビジョナル(仮歯)含む、白金加金使用)2,970,000円
-
-
レジリエンツテレスコープ
(残存歯2~4本)※歯の本数・設計・使用金属により費用が異なります1,900,000円 ~ 2,400,000円例-
残存歯3本の場合
(仮義歯・プロビジョナル(仮歯)含む、白金加金使用)1,590,000円
-
-
レジリエンツテレスコープ カバーデンチャー
※歯の本数・設計・使用金属により費用が異なります1,760,000円 ~ 2,750,000円例-
残存歯8本使用
(仮義歯・プロビジョナル(仮歯)含む、白金加金使用)2,585,000円
-
口腔内の状態で設計が異なりますので、上記の費用は目安となります。
最終的な治療費は、検査後にご提示いたします。
-
部分入れ歯作成にかかるその他の費用
(噛み合わせ検査+治療計画立案)50,000円